Silver Bell

不定期更新

<Voigtlander>MACRO APO-LANTHAR 65mmF2 Aspherical②

ブログのアイコンを変更しました。
撮影はりっぷさん(@lip_4)、ありがとうございます╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ

今回はその②(肝吸いのお話です)

今回は晴れの日の撮影も含めつつ、1ヶ月ほど触った感想をちょこちょこ書いていきたいと思います。
よろしければ、前回お届けしたファーストインプレッションと併せてお読みください。
silvell.hatenablog.jp

前回書いてなかったところを先に書いておくと
・ヘリコイドは回転角が300°くらいあって、トルクもばっちりピント合わせはひじょーに楽です。

・手ぶれ補正については距離情報がボディ側に流れ込むため、キチンと5軸で動作はしますがマクロ域はボディだけだと補正しきれないようなのでその辺ケアしつつSS設定しましょう。

・あとキャップめっちゃ外れやすいです!!注意!(2017/11/9追記)
てなところでしょうか。

秋桜
あと、こんな感じの背景だと被写体との距離によっては後ろが二線ボケっぽくなってちょっとうるさいですね。

庭園へと
比較対象が微妙にズレてますが、Planar T* FE 1.4/50 ZA辺りだともう少し後ボケはスムーズな気がします。
元々解像力に振ってるレンズなのでボケ味どうこう言うのはもちろんナンセンスだと思いますが…うーむ。

ボケ味は置いといて、色と階調においてはさすがアポクロマート設計のレンズです。
色滲み?何それ?というレベルにまで補正された色収差の無さは驚異的で、シャドウからハイエストライトまで気持ち良くトーンが繋がります。
しかしコシナさん、価格設定が大丈夫でしょうか。安すぎませんか…?

縁側
それなりに背景が離れるとOKな感じですね。
こういう距離感、とてもGoodです。
変に遠近感の誇張もないので、65mm自体の画角は狭いですが見たままを捉えるレンズです。

陽は傾いて
ちょっとキリトリ感を強めに。
こういうシーンでもっとエモーショナルな描写が欲しい方はPlanar T* FE 1.4/50 ZAを選択しましょう。

人力車
色収差補正がキチンとしていて解像力があるということは、金属の質感がたまらなく良いわけです。
ホイールの質感がたまらんです…

田舎道
何でもない道を。
それなりの距離でもピントの立ち上がりはしっかりしているので、背景がシンプルなら中距離も良いですね。

落とし物
草っ原に忘れ去られたTシャツ。
A7RIIのセンサーだからというのもあるかもしれませんが、こういうアンダーな雰囲気にした時にシャドウがよく粘ります。
拡大すると物凄い解像しているんですが、前回も触れた通り硬くなりすぎないのが良いですね。
TシャツはTシャツの質感、です。


さて、暫く猫ちゃんが続きます。
発見
見つかった。

眼差し
何か気になるご様子。

DSC00057.jpg
ごろーん。草が前ボケになってます。


とっても美猫さんでした。カメラ慣れしてますね〜

f:id:silvell:20170925014107j:plain
そしてこちらは上の写真をズイッと拡大してみました。
a7Riiで開放で撮ってます。不通ならもうちょい毛のエッジは色が滲むもんですが…。
ええ、ご覧の通りです。
それとこういう距離だと背景も溶けてしまうのでボケもきれいですね。

あ、そうそう。
せっかくなので絞った写真も。これが…
芳ヶ平湿地群 朝景

f:id:silvell:20170925015506j:plain
こうなります。画面上の方を切り出しました(PCの場合クリックで拡大します)
高画素機+超高解像レンズの成せる業ですが、a7Riiのセンサーで使ってもまだ余裕を感じる辺りが恐ろしいですね。

Sink
良いレンズは金属と水ものの描写が良い、なんて良く言いますが水に沈んだ葉の質感、いかがでしょう。
水面の揺らめきを捉えつつも、そこは既にデフォーカスしていて葉がスッと浮き上がってくる様です。

DSC01542.jpg
最後は飯で。
普通に飲食店に入って65mmで飯を撮ろうとするとちょっと長過ぎなのですが、縦構図でちょっと工夫してみました。さくさくの天ぷら美味しかったです╭( ・ㅂ・)و ̑̑ グッ

さて、というわけで第2弾、いかがでしたでしょうか。
結局前回と同じ様な内容になってませんk(

げふんげふん。


そういえばこのレンズ、なんというか豊穣な感じはあまりないのです。
至極淡々と、ありのままをトレースする印象。マクロレンズという立ち位置がそうさせるのかもしれません。

他の標準レンズも含めてフォロワーさんともそんな話をしていたのですが
「Summilux 50/1.4 ASPH.がうな重だとしたらPlanar T* FE 1.4/50 ZAが白焼きで、MACRO APO-LANTHAR 65/2 ASPH.は肝吸いだよね。」
みたいな話になって「ああなるほど。」と納得してしまいした(笑)


こう、何を撮ってもエモーショナルになったりはしないのですが、逆に言うと変な脚色がなく、実にドストレートにキャプチャーしてくれるレンズだと思います。
ある意味凄く難しいレンズなのですが、個人的には非常に良い"道具"ですね。
ある程度レンズに任せて、良い感じにして貰いたい人にはあまり向かないかもしれません。

そんなところでしょうか。


参考になればこれ幸いでございます。

<雑記>Planar T* FE 50mm F1.4 ZAのクモリについて(2017.10.17追記)

2017.10.17追記

この問題については公式発表があります。
詳しくはソニーの公式を参照してください。
www.sony.jp

身の回りで同様の事象が発生している方には声をかけたり、当ブログをお読みになって修理に出された方も居られるかと思いますが、やっと解決に至ったようでとても嬉しく思います。

Planar T* FE 50mmF1.4 ZAをお持ちの方で、シリアルが
1800001~1810699の一部
8300001~8300119の一部

が対象となるようです。
2019年10月31日まで無償修理対応との事なので時間を見つけて修理に出してしまいましょう。

風の噂で聞いた話だとフォーカシングユニット周りがほにゃららとかそんな感じだったそうです。
描写に関しては前に取り上げていますが、FEレンズだけではなく他社の標準単を含めた中でも相当ハイレベルなレンズだと思いますのでご興味がある方は是非。
silvell.hatenablog.jp

Planarちゃんを修理に出してきた。

写りに影響が出る故障が発生していたかといえば、そんな事はなかったんですけどね。
中古市場なんかもちょこちょこ見ていたのですが、このレンズやたらと「レンズ内薄クモリ」の中古の個体が多いなあと思いふと気になって自分の個体も中玉をチェックしてみたんです。※ちなみに2016年11月に新品で購入しています。

先に申し上げると下記の写真は別の個体の中を撮らせて貰ったものですが、中玉周辺部に光を当てています。
外周部に斑点状のポツポツが見えると思いますがこれが「薄クモリ」の正体でした。
f:id:silvell:20170814012912j:plain
f:id:silvell:20170814012918j:plain
自分の個体にも中玉のクモリは発生していたのですが、撮影はせずにそのまま修理へ出してしまったのです。
写真撮っておけば良かった…

ちなみにこのクモリ、時間的にかなり広範囲で発生しているようです。
同様の症状が出ている方が多数見受けられ、とあるカメラ専門店のデモ機(恐らく発売当初に展示開始した物)から始まり、発売初期に購入されたフォロワーAさん、2016年8月に購入されたフォロワーBさん、2016年11月購入の僕、友人にも昨年12月、今年4月初頭、今年5月末とかなり多くの本数で同様の箇所に発生している模様です。

また、市場に出回っている中古で「クモリ」という表記がある物は全てこうなっているみたいです。持病っぽい?

チェックの仕方

①ボディに装着している状態で絞り開放にする
②MFに切り替え、無限遠になるようにフォーカスリングを回す。
③電源を切らずにそのままレンズを外す(絞りが開いたまま外せます)
④ペンライトなどで後玉側から光を通して中を覗く。
※②で無限遠と指定したのは、最短付近だと絞り羽根が少し繰り出すタイプのレンズだからです。
この状態で周辺部に斑点状のクモリが見えれば、該当個体(?)です。
メーカー保証期間内であれば無償修理が可能で最寄りのソニーショップかソニーのSCに出すのが良さそうです。

懸念事項

正直この程度では写りに影響が出ることはまず無いと思われますが、これが広がってきた場合影響が出始めてしまう可能性があること。
影響としては、主に逆光耐性の低下や特定条件での解像力の低下などがありそうです。
そして、現金な話ではありますが売却時の価格に影響してくるのがネックです、売却時の価格に関しては描写への影響よりも早くから影響が出始めますのでメーカー保証期間内の方は早急に出してしまいましょう。

修理に出すにあたって。

銀座のソニーで同様の症例が出ていないか聞いてみましたが、スタッフさんはご存知無いようでした。
症例が増えてくれば、リコールなどの可能性も出てくるかとは思うのですが現状は見つけたユーザーが自ら修理に出すしかありません。

そして僕も7/20に秋葉原のSCに出してきました。

7/20 秋葉原SCに修理出し

→その場では直せないため、そのまま工場送りです。

7/25 秋葉原SCより連絡

→「ご指摘箇所の"ヨゴレ"を確認しました。清掃にて取り除くことは不可能なため、中玉を交換します。」との事でした。
ここで判明したのは"クモリ"ではなく"ヨゴレ"なようです。見た目はクモリっぽいのでどちらで呼んでも良いとは思うのですが。
ちなみに「中玉交換時にZeissのシリアルが変わります。ご了承ください。」という内容も合わせていただきました。
元々、ソニーZeissのレンズは"ソニー側のシリアル"と"Zeiss側のシリアル"が両方レンズ側に、印字やシールという形でついているのですが、今回は"Zeiss側"のシリアルが変わりますよという話でした。修理自体もこの時点で無償という事が分かり、ホッと一息。

ちなみにクモリの話に興味があった人はこの辺まで読んでおけば大丈夫です。お疲れ様でした。
ここから先は長きに渡る修理ガチャの話です。

7/29 秋葉原SCより修理上がりの連絡

7/31 秋葉原SCに回収へ。

→ここでクモリは綺麗サッパリなくなりました!
よかったよかった…んんん??


ここで、持病は治った(?)のですが中玉にキズが。
写りには影響ないレベルだとは思ったのですが、修理前には無かったものでしかも気になるサイズ…。
秋葉原SCに常駐されていた簡易クリーニングのおっちゃんにも見てもらって、これはキズでしょうという判断が出たのでそのまま2度目の修理に。
写りに影響ないとは言え気持ち悪いしね…

8/5秋葉原SCより連絡

お昼頃秋葉原SCから連絡があって、修理から戻って来ましたよ―という事でした。
もう一度ごっそり光学系が交換になっていて「動作テストもしましたよ」と。「しましたよ」と。

8/7秋葉原SCに回収へ。

今度は中玉もクリアでキズも無かったため意気揚々と受け取りました。


そして不穏な空気が…



とりあえず、自分の目がおかしいのかどうかも確かめるべく秋葉原SCから一番近い、秋葉原のヨドバシへ。
ソニーの販売員から訝しげな目を向けられつつ、戻ってきた個体と店頭のデモを比べると明らかに戻ってきた個体の方が絞り開放が緩い…。
「各部動作テストしました」とは一体。
あまりの修理運の無さにこみ上げてくる笑いと共に、また暫く使えないのかという落胆が入り混じってまあそれはもう酷いテンションでしたね。
とりあえずもう一度修理に出さないことには始まらないので
まさかの立て続け3度目の修理へ。
秋葉原SCへ持っていってもデモ機は無いし、いちいち口で説明するのも面倒なので秋葉原SCに行くのは諦めて、銀座のソニーストアに行くことにしました。
銀座の方ならデモ機の展示もあるため症状の確認をスタッフにさせやすいと考えたため。

サポートカウンターで症状を伝え、デモ機を並べて確認してもらったところスタッフの方でも確認が取れ「これはこのレンズではあり得ない。再三に渡る修理で申し訳ありません。」という事で3度目の修理となりました。

ちなみに不良Planarで撮った写真は面白かったのでデータとして記念に残しておきました。



軸上色収差に関しては元々それなりに補正力の高いレンズなので、色ズレは無いんですが球面収差(?)が増大しているせいで開放はぽやっぽやに。
閑話休題

(8/15追記:とある方に「(ぽやっとしている原因は)偏心に伴うコマ収差だろう」とご教授いただきました。ありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。)

8/11銀座ソニーストアより連絡

修理上がりの連絡でした。さすがに早い。
結果は「光軸ズレに依る解像度低下」でした。またしても光学系ごっそり交換しており、今度は解像力テストもしてくれているとの事。
(というか2回目の時点でやってくれよという話なのですが…そこは大変ガッカリでした。)
(というか「各部動作テスト」とは。とは…)

8/13銀座ソニーストアに回収へ。

不穏な写真。

ではなく、さすがに大丈夫でした。納得の写りです。うむ。

というわけで、クモリの除去をするだけのつもりがトータルで3週間くらい入院してました。
ホント修理運が無いですね。
後半面白半分になっていましたが、まあ2度目の修理から上がってきた時が一番アレでしたね。

「各部動作テストしました。」

ちなみとあるお方から聞いた話だとプロサポに入ってる場合は、修理時に解像力テストもやってくれるそうです。ほほう。
僕はもうなんか色々聞く気も失せたので、素直に受け取って帰ってきました。
サポートの人も別に悪くないのに申し訳なさそうにしながら話させるのも見たくないし、そこに気を回すのが疲れるので。

まとめ

とりあえず、今回の記事で大事なのは
「メーカー保証が効いてれば、クモリ除去は無償」ということです。
広範囲で発生しているようなので、Planar T* FE 50mmF1.4 ZA使ってる方は一度中玉チェックしてみてください。

それと僕の個体は綺麗サッパリなくなって返ってきましたが、ここからが気になるところです。
レンズ設計チームはひょっとしたら把握しているのかもしれませんが、今のところソニー側から明確な解答はなく、クモリが出やすいという状態において対策が成されているのかが分からないという事。
修理に出された個体は、こっそり新硝材に変更されていて対策済みです、とかなら良いんですがその辺の対策がされていないなら再度発生する可能性があるということです。
その辺は暫く経過観察していきますが、再度発生するようであれば再クリーニング出してそのまま売却ですかね。
持病抱えたままはさすがに面倒ですし。

また何か進展があったら追記したいと思います。
ではでは。

<Voigtlander>MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical

ついに来ました

フォトキナの発表から首を長~くして待っていましたよ。
Voigtlanderブランドのハーフマクロレンズ
MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Asphericalが発売されました!

元々Eマウント用の標準マクロレンズが欲しかった。

今回のレンズが発表される前に、FE 50mm F2.8 MACROが登場していました。
結構期待していたのですが、描写はとても良く申し分ないかわりにAFはDCモーターでお世辞にも速いとは言えず、しかもミラーレス機特有のフォーカスバイワイヤが足を引っ張り、MFの方もイマイチと個人的には残念なレンズでした。

せめてMFだけでもそれなりに使えれば良かったのですが、MFしようにもフォーカスリングを一体何回転させれば良いんだ…とここであんまり愚痴っても仕方ないですね。

というわけで早々に候補外になってしまった50マクロを除いて
Loxiaブランド辺りで50mm~60mmくらいでMakro-Planar銘のハーフマクロレンズが出ないかなーと淡い期待を抱いていたのです。
出来ればそれがF2~F2.8くらいで、と思っていたところに…

Cosina is God

コシナからドンピシャで開発発表されたレンズが今回のレンズでした。
しかもMACRO APO-LANTHAR銘ですよ…!?
今やプレミアが付き、異様な高騰をみせるキレ玉「MACRO APO-LANTHAR 125mm F2.5 SL」などはご存知の方も多いかとは思いますが、まさか同じ銘で現代に蘇るとは思いもしませんでした。

発表直後(?)のツイートがこちら。




はい。この時点で購入宣言してますね。頭おかしいですね。(あまりに興奮しすぎてAPO-LANTAHRになってますね)

そして月日は流れ、CP+2017でデモを触ったりしつつ…


そんなこんなで、発売日(2017/8/10)に買ったわけです。


それでファーストインプレッション的なやつをしていこうかなと。
ただ、発売初日はパラパラ雨が降るような悪天候で基本ほぼ曇りだったので
全体的に暗めな写真が多くなってます。ご了承をば。

以下写真

DSC00040.jpg1日フィールドで触っていましたが、まあとにかく良く解像するレンズです。
野外に置かれたシンクに入ったホースを撮ってみたんですがいかがでしょう。ちゃんと手に伝わってきそうな質感描写が良いですね。


DSC00141.jpg小雨が降ったり止んだりしていたため、屋内でも撮影できたらなという事で
新宿で購入した後、西武新宿線花小金井駅へ。そこからバスを使って江戸東京たてもの園にやってまいりました。年パスおじさん。
えげつないシャープネスと共に、階調が綺麗に出ているので立体感があります。
ちなみに個人的にCP+2017でコシナに聞いた時は「解像力に関してはOtusにも匹敵するものを持っています」と聞きました。


DSC00256.jpg小豆のシズル感がいい感じに撮れました。
公式の作例もいわゆる「飯テロ」写真となっており
Twitterの方では「コシナ分かってるな」などと言われておりましたねw

えびふりゃーついでにエビフライも。
余談ですがAPOの名を冠するレンズなので、所謂Apochromat仕様というやつですね。
軸上色収差、倍率色収差補正に優れ、簡単に言うと色滲みやフリンジが殆ど出ないということです。
前回紹介したPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAもハイレベルでしたが、こちらはAPOという事で色収差補正力は断然上です。


艷絞り開放付近のヴィネットが気持ち良くてついつい開放を使ってしまいがちですが、キチッと解像してくれるのであんまり気にならない感じもします※被写界深度を考えましょう
シャドウ部のトーンの出方がとても好きです。Voigtländerのレンズはこういうのが得意なイメージがあります。

DSC00113.jpgそれぞれの物質の質感を捉えるのに本当に優れたレンズだなと思います。木は木。

DSC00291.jpg金属は金属。


DSC00094.jpg
布は布。なんですよねぇ…素晴らしい。

ちなみに円形絞りを保てるのは開放のみで、1/3段も絞ると多角形絞りになります。周辺減光はF3.2辺りからかなりおとなしくなる印象でした。

DSC00151.jpgもうこんなの見せられたら撮るのが楽しくて仕方がないですよね。


DSC00154.jpg良きかな良きかな。


DSC00321.jpgモノクロもバッチリです。


DSC00175.jpgうむうむ


と、こんなところでしょうか。
まだ1日しか触れておらず、あんまり煮詰まってない写真ばかりになってしまい申し訳ないです。

ちなみに某なんとかinfoに転載されてた海外のレビューサイトで
「65mmは使いづらい」みたいなコメントが出てましたが、いやいやいやと。
確かに最初はとっつきづらいかもしれませんが、これほど馴染みやすい画角もないです。

絶妙な焦点距離

65mmという一見パッとしない焦点距離ですが、実は絶妙なんですよ。

前提の話から入りますが、元々α7シリーズの
EVFのファインダー倍率はだいたい約0.71倍です。

そりゃなんぞや?という話ですが、一つの解釈の仕方として簡単に言うと
「50mmのレンズを付けた時にEVF越しに見える像が肉眼比で0.71倍のサイズに見える」ということです。

つまり、肉眼で物を見ているサイズEVF越しに見える像のサイズをイコールにしたい場合、1.0倍になるような焦点距離のレンズを付ければ良いわけですね。
「肉眼等倍」なんて言い方をしたりするみたいですが、ファインダー倍率0.71倍の場合、50(mm)/0.71(倍)=約70(mm)というわけです。

そしてα7シリーズの中でもα7RIIやα7SII、更にはα9といった機種の場合ファインダー倍率が0.78倍になります。
同じ様に肉眼等倍を計算で求めると、これがなんと今回のレンズドンピシャの65mmなんです。
コシナがそこまで考えて65mmという焦点距離をチョイスしたかは謎ですが、ファインダー倍率0.78倍の機種で使う場合
ほぼ肉眼で見ているサイズとイコールになりますので、撮れる画角だけ覚えてしまえば風景の中からスパッと切り抜いてくるような感じで撮影できるようになりますよ。

DSC00103.jpg

DSC00082.jpg

さて、いかがでしたでしょうか。
汎用性の高い標準ハーフマクロかつ65mmという絶妙な焦点距離
そして、レコードキーパーになるのではと思わせるほどの高い描写力。
発表された時点から買うことは決めていましたが、まさからここまでの傑物になるとは思いもしませんでした。

ありがとうコシナ


それと、Twitterの方では「#m_apolanthar65」タグを付けて色々呟いてますので、ご活用ください。

さあ、皆さんもご一緒に
アポ ٩( ‘ω’ )وアポ♪
ラン ٩( ‘ω’ )وラン♪
アポ ٩( ‘ω’ )وランラン♪

ではでは。

第2段書きました。良ければどうぞ
silvell.hatenablog.jp

<E-mount/Zeiss>Planar T* FE 50mm F1.4 ZA

今回は美味しい日本酒のお話です

昨年の11月に標準単焦点を入れ替えました。
元々Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを使っていて標準域はこのレンズで
充分だよなあと思っていました。
思っていたんですが…。

gallery

Planar T* FE 50mm F1.4 ZAを1度借りる機会があってあまりにも衝撃的だったので
予算を組んでGoしてしまいました。

プロテクターはお馴染みのEXUSです。


FE55mmを撮り尽くした人にこそ使って欲しいレンズ

さて、具体的にどこが違うの?という話になるわけですが明確に違うと感じるのは
フリンジ(軸上色収差)の少なさと、ピント面の平坦性、シャープネスかなと思います。
字面で見ると分かりづらいので写真を並べてみましょう。


空中回廊


Architecture II

Architecture I


Corridor IV


全部開放です。2~3枚目もです。普通遠景で建造物となればディティールを見せたくなりますし、フリンジを嫌ってよく写るレンズでも少し絞りますよね。
最低でも1~2段くらいは。
今回は50mmF1.4というスペックのレンズで、こういうシーンの画作りが開放で成立するなと感じたので絞りを開けたんですが、最初は撮ってて意味がわかりませんでしたw
そして、そういうレンズなのだと頭で理解し始めた辺りでニヤニヤしてきてしまいました。脳内麻薬が出るレンズです、これ。

恐らくFE55mmじゃこの画は出てこないと思います。使っていた時の記憶からですがハイライトのエッジにフリンジが結構出ると思うんですよね。
遠景の描写も開放だともっと緩いはずですし、2枚目みたいな構図の時に前ボケがもう少しザワツキます。それこそ少し絞ってやらないといけません。

FE55mmはかなり神格化(?)されているところがあって、今回出すならそれを超えるレンズを出さねばというところもあったのでしょうか。
ちゃんとベクトルの違う良さが双方にあって、一方が劣るというところが無いのがSONY上手いなーと思いました。

結構あれこれ言ってしまいましたが、FE55mmはFE55mmであの写りからは想像も付かないほどコンパクトでFE50/1.4よりAFも速く、2/3段絞り(F2.2)くらいから解像力もかなり出て来ますし、あちらはあちらでとても良いレンズですのでそこは誤解無きよう。

とFE55mmから買い換える理由を思いつくために色々分析した時の感想を書き連ねましたが、まあそんな違いを考えずとも撮っていて気持ちの良いレンズです。

それは間違いない。

と、話がズレましたが続いて作例を。

以下写真

knot/Adult Homework"My Favorite things" ①

濁りがなく、クリアに画が出てきます。
ハイライトのウルッとした感じのトーンがたまりません。

Heavenly Lightちょっと絞れば口径食も穏やかに。F2.0くらいまで絞れば殆ど気にならなくなります。

縁側安心して開けられるレンズは、構図の自由度も高いなあと感心しました。
レンズによってはもうちょっと絞らないと前ボケがうるさいんじゃないでしょうか。

DSC02095.jpgフリンジが殆ど気にならないため、光を捉えるのが楽しくなるレンズ。
光を受け止める「懐の広さ」を感じます。

YAMAHA椅子のトーンの繋がり、良いですね。
光のおかげもあって、その場の空気まで伝わってきそうです。ボケ味もGood!

トタンここで目の痛くなりそうな写真を。
2/3段絞りです。もうお腹いっぱいになりそうなシャープネス。

ゆらぎ「水やガラスを美しく捉えるレンズは良いレンズ。」
誰が言ったか忘れましたが、その通りだと思います。

新緑の中で中距離でもちゃんと立ち上がるピント、良いですね。

窓の外には線は細く緻密、質感が伝わってきそうな描写です。

Life②光が回っているシーンは良い。
ならばローライトはどうだろう?となるわけですが、なんとも叙情的ですね。

西日ガッツリ逆光だと結構フレアが出ますが、嫌味な感じではないですね。
フリンジは出そうと思えば出せます。

窓にもたれてカーテンが女性なら最高でした(笑)

DSC02656.jpg隅は等倍とかで見ちゃうとちょっと緩いんですが、全然気にならないレベルです。

夢うつつ最短は45cm。Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAでは最短50cmでした。
寄れずに歯がゆかったシーンも良い感じ。

まとめ

「こう撮りたい」「ああいう構図にしたい」に限りなくストレートに応えてくれるレンズだと思います。
Sonnar T* 55mm F1.8 ZAもとても良いレンズでしたが、更にもうワンランク上の写りを見せてくれます。
軽さ、AFの速さを含めた取り回しを重視する人にはあまり向きません。その辺りは注意が必要です。
特にAFはα9なら問題ないのですが、従来機では駆動始めがちょっともたつきます…。

ただその辺はおいておいて、開放からガンガン使えて色やトーンの繋がりにもっと深みが欲しい人にはオススメです。
芳醇で澱みのない、美味しい日本酒のようなレンズです。

カーテンっていいよね、という話。

カーテンはいいぞ


お前は何を言っているんだ?


とうとう頭がおかしくなってしまったのでしょうか(※元々です)


何故こんな記事を書くのかというと最近Twitterの方で話題にしてくださってる方が何名かいらっしゃって、そろそろ纏まった形にしておくのも悪くないかな―と思った次第。

というわけで、最近ライフワーク(?)と化しているカーテン撮影の一端を記事に起こしてみようかと思います。


元々、たてもの園やら洋館の内装撮影が好きだったんですが、
ふと「カーテンってエロいな」
思いまして。


それに至る過程はもちろんあったのですがやっぱり何を言ってるのかよく分からないかと思いますので、写真を並べてみましょう。

めくるめくカーテンの世界へ

ふんわり
erotic
Silky

こんな感じです()

洋館とかで窓際で写真撮る時って基本室内に落ちてる光を拾うんですが、窓を撮るにしても窓がメインで、カーテンは添え物なんですよね。
それが窓から入って来た光が良い具合にカーテンでディフューズされて陰影を生んでるのに気付いて、光がなんともエロいなあ…と思っていたらカーテンを撮るようになってました。
レースカーテン(薄い方)はディフューズし、ドレープカーテン(厚い方)は遮光するわけですが布の重なりや、生地のパターンで光が様々な表情を見せるのがとても面白いです。

そして、カーテンを結うタッセル(結ぶやつ)がまた良い仕事をしてくれます。

タッセルを撮る

Tassel

結び、寄り添う

Saturation -2016.11.13 Explored-

knot/Adult Homework"My Favorite things" ①
タッセル自体に結構ボリューム感があるので、被写体としてもとても良いです。
カラーの違いで清楚な感じだったり、素朴な感じだったり。
結び場所で光の当たり具合も変わってくるので、そこでまた違う表情が見えてきます。
もちろんカーテンあってのタッセルなので、あまりアップにしてしまうと
見せたいものがなんなのかちょっと分かりづらいかも。

モノクロで撮ると陰影が際立つ

静寂

Snowwhite

憂うつな日の窓辺

揺らぎ

物思いに耽る

何を今更、というソレですがカーテンにおいてもモノクロは非常に良いです。
タッセルや窓枠、部屋の内装なども含めた撮影であればカラーを選択しますが、トーンや模様を魅せたいならモノクロで。カーテンは基本波打っているので3枚目の様なグッと寄った魅せ方も面白いかもしれません。
特にレースカーテンの撮影においては、ディフューズされた光をいい塩梅に捉えてくれますよ!まずはモノクロで捉えて見ると、カラーの時に魅せたいものが見えてくるかもしれません。

ざっくりとしたまとめでしたが、いかがでしたでしょうか。
もしカーテンに興味を持たれたら、基本窓からの光が肝心なのでまず最初は晴れている日を狙うと良いと思います。
晴れている日に敢えて屋内で撮影というちょっと贅沢な気分も味わえます(笑)
日常の中に小さな幸せを探すように、窓際のささやかな光の陰影を捉えてみてはいかがでしょう。

カーテンの良さ、ちょっとでも伝われば嬉しいです。

P.S

素晴らしきカーテン教のフォロワーさんをご紹介。
wifeman.tokyo

それと、今回使用しているレンズ。
個別で記事を書くつもりですが、とんでもなく素晴らしいレンズです。

最近こればっかり使ってます。

<E-mount/G Master>FE 24-70mm F2.8 GM

よもや大三元の一角に手を出すほどになるとは。

というわけで今回はFEレンズの中でもG Masterの名を冠する
標準ズームレンズのFE 24-70mm F2.8 GMをご紹介。

α7IIで使える標準ズームが欲しいと思い、色々物色していたのですが最終的な着地点はこのレンズでした。

候補として他にも入っていたのは

  • Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA(LA-EA3経由)
  • SP 24-70mm F2.8 di USD(LA-EA3経由)
  • Art 24-105mm F4 HSM(MC-11経由)

辺りがあったのですが、単焦点と違い1本で任せる範囲が非常に広い上、標準ズームということで稼働率もズームの中では高いだろうと考えた結果、写りやAF周りが自分の中で妥協できるラインにはならなかったため、GMにしようと思ったのでした。

実は発売前に予約しており、発売から1ヶ月とちょっと経ってから入手する形となりました。


AFの速さも申し分なく、写りに関しては度肝を抜かれる事もしばしば。
ピントリングのトルクがもう少しあると嬉しいかなーと思いますが、動画の事も考えるとこのくらいスムーズでも良いのかもしれません。
かれこれ1年近くも前ですが、やっとこさ記事に起こそうかなという気になったので書いてみた次第。


それと、プロテクターはmarumiのEXUSにしました。
この辺りの価格帯のプロテクターは純正とかKenkoとか色々試してみたのですが、メンテナンス性の良さも加味してEXUSを選んでます。

なんでもビデオグラファーの間でも評判が良いとか。


更にネイチャー用(主に水景用)にND400も買いました。

Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 82mm 光量調節用 182239

Kenko NDフィルター ND400 プロフェッショナル 82mm 光量調節用 182239

滝の写真でいつも魅せられているdocさんに「NDどれ買っておけば良いですか?」と聞いたところ「ND16とND400があればなんとかなるよ」との事でしたので、とりあえず先にND400だけ仕入れました。
こちらは今のところ活躍の場があまりないのですが、きっとそのうち活躍してくれるでしょう。

以下写真

Twilight skyまずはワイド端から。キチンと絞っているのもあって解像感があるのはもちろんですが、波の陰影をしっかり捉えていて立体感がありますね。
LRで現像しておりレンズ補正を当てていますが、レンズ補正を当てる前はさすがに歪みます。ズームレンズのワイド端なのでそこは致し方なしですね。


Milky way星撮りにも使えそうだな―と思っていたのですが、全然使えちゃいますねこれ。
前玉側にソフトフィルターを付けており、光の入射角の兼ね合いか周囲は流れてますが後玉側にゼラチンフィルターを付ければキチッと点像になりそう。
ズームレンズのワイド端開放でコマ収差も殆どなく使えるとは思ってもいませんでした。
ガンガン星撮るわけではないので、これだけ写ってくれれば個人的には十分です。


曳っかわせ -2016.10.22 Explored-川越祭りから。このイベントのために導入したと言っても過言ではないかもしれない。
人混みでレンズ交換が難しいお祭りなどでもそれなりの撮れ高を得ることが出来るのはズームならでは。SSは敢えて落として躍動感を狙ってます。
片手持ちでの撮影でしたがボディ内手ぶれ補正さまさまですね!センサーシフト式だと望遠域になってくると苦しいですが、逆に標準域ならレンズ側は不要だと思います。
フルサイズでこれだけ効いてくれれば充分。

DSC07559.jpg流し撮りにもチャレンジ。


root50mm辺り。
ホント、下手な単焦点は要らないと思います。そうでなくては困ってしまうのですが…さすが。
これは主観ですが、開放時の解像感は35mm>>50mm>>24mm>>70mmの順かなという印象。
それと基本的にどれもRAW現像してますが、ソニーZeiss系のレンズと比べるとちょっとあっさりめに色が出る気がしますね。
トーンカーブを調整してやるとちゃんと色が出てくるので別に困ったことではないですし、プロの現場で使われることも考えると寧ろこの位で調整の余地がある方が使いやすいのかなーという感じ。
元々G/GMが「解像力/ボケ味」でZeiss「解像力/コントラスト」というのがコンセプトになっていたはずですし概ねその通りな気がします。


おろし天そば飯撮りにつよい。最短撮影距離は0.38mとかそのくらいです。最大撮影倍率にして0.24倍(こっちで覚えてる)


ざるうどんつるんとなめらか。美味しそう


波の穂ボケ味Good。G Masterの名に恥じないボケ味だと思います。枯れたムラサキツメクサが砂漠に咲く薔薇の様でなんだか非現実的。
24-70というレンジの中では唯一70mmだけ少し緩いかな?という印象がありますが、それも他のレンジに比べれば、です。個人的には充分なレベル。


夏バテ猫さん最後は猫ちゃんで。開放のボケも良い感じですね。だら~んとしてて可愛かった。

まとめ

Vario-Tessar T* 24-70mm F4 ZA OSSは第1世代α7シリーズとのマッチングを加味して軽量化し、テレ端側の写りが多少おざなりになっていましたが、今回はガツンと写り重視で出してきたレンズで使っていて安心します。
標準域のズームはα6000時代に使ったきりで、久々の投入ですが単焦点である程度画角を覚え込んだおかげで1本でこれだけの画角が内包されていることにありがたみを感じます(笑)

このレンズでなければ撮れない写真は無いかもしれませんが、このレンズだけで撮れる写真は多いのではないでしょうか。
そう思わせてくれるズームレンズです。
今年の夏にはSEL1635GMも出ますし、そちらも楽しみですね。
では、今回はこの辺で。

雨の日

8/20は台風接近中という事もあって、関東圏は朝から凄い雨でしたね。
仕事だったので、ちょっと早めの電車を選んで職場へ…

結局遅延もなく早めに着いてしまったので、行きつけのPRONTOで時間を潰しておりました。
そして少し冷房の効いた店内で温かいカフェラテを頼み、啜りながらぼうっと道行く人を眺める

Rainy day

入口にほど近い席に座っていたのですが窓には結露が。
外から入る光がいい塩梅にディフューズされていたので、光の伸びるテーブルと一緒に1枚。

コーヒーカップも一緒に撮りたかったのですが、光に気付いた頃には半分以上飲んでしまっていて撮り映えしないなあとボツに…

頭の中のネタ帳に記録しておきました。

もう少しオールド気味なレンズでこういうシーンを撮ると、光がフワッとして良いんだろうなあ、なんて感想を抱きつつ店を後にして職場へ向かいました。

たまーに使いたくなるNOKTON Classic 40mm F1.4 MC
近しい焦点距離のレンズを複数本持てる程にお金に余裕が出来たら買い戻したいですね。