Silver Bell

不定期更新

<E-mount/Zeiss>Planar T* FE 50mm F1.4 ZA

今回は美味しい日本酒のお話です

昨年の11月に標準単焦点を入れ替えました。
元々Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを使っていて標準域はこのレンズで
充分だよなあと思っていました。
思っていたんですが…。

gallery

Planar T* FE 50mm F1.4 ZAを1度借りる機会があってあまりにも衝撃的だったので
予算を組んでGoしてしまいました。

プロテクターはお馴染みのEXUSです。


FE55mmを撮り尽くした人にこそ使って欲しいレンズ

さて、具体的にどこが違うの?という話になるわけですが明確に違うと感じるのは
フリンジ(軸上色収差)の少なさと、ピント面の平坦性、シャープネスかなと思います。
字面で見ると分かりづらいので写真を並べてみましょう。


空中回廊


Architecture II

Architecture I


Corridor IV


全部開放です。2~3枚目もです。普通遠景で建造物となればディティールを見せたくなりますし、フリンジを嫌ってよく写るレンズでも少し絞りますよね。
最低でも1~2段くらいは。
今回は50mmF1.4というスペックのレンズで、こういうシーンの画作りが開放で成立するなと感じたので絞りを開けたんですが、最初は撮ってて意味がわかりませんでしたw
そして、そういうレンズなのだと頭で理解し始めた辺りでニヤニヤしてきてしまいました。脳内麻薬が出るレンズです、これ。

恐らくFE55mmじゃこの画は出てこないと思います。使っていた時の記憶からですがハイライトのエッジにフリンジが結構出ると思うんですよね。
遠景の描写も開放だともっと緩いはずですし、2枚目みたいな構図の時に前ボケがもう少しザワツキます。それこそ少し絞ってやらないといけません。

FE55mmはかなり神格化(?)されているところがあって、今回出すならそれを超えるレンズを出さねばというところもあったのでしょうか。
ちゃんとベクトルの違う良さが双方にあって、一方が劣るというところが無いのがSONY上手いなーと思いました。

結構あれこれ言ってしまいましたが、FE55mmはFE55mmであの写りからは想像も付かないほどコンパクトでFE50/1.4よりAFも速く、2/3段絞り(F2.2)くらいから解像力もかなり出て来ますし、あちらはあちらでとても良いレンズですのでそこは誤解無きよう。

とFE55mmから買い換える理由を思いつくために色々分析した時の感想を書き連ねましたが、まあそんな違いを考えずとも撮っていて気持ちの良いレンズです。

それは間違いない。

と、話がズレましたが続いて作例を。

以下写真

knot/Adult Homework"My Favorite things" ①

濁りがなく、クリアに画が出てきます。
ハイライトのウルッとした感じのトーンがたまりません。

Heavenly Lightちょっと絞れば口径食も穏やかに。F2.0くらいまで絞れば殆ど気にならなくなります。

縁側安心して開けられるレンズは、構図の自由度も高いなあと感心しました。
レンズによってはもうちょっと絞らないと前ボケがうるさいんじゃないでしょうか。

DSC02095.jpgフリンジが殆ど気にならないため、光を捉えるのが楽しくなるレンズ。
光を受け止める「懐の広さ」を感じます。

YAMAHA椅子のトーンの繋がり、良いですね。
光のおかげもあって、その場の空気まで伝わってきそうです。ボケ味もGood!

トタンここで目の痛くなりそうな写真を。
2/3段絞りです。もうお腹いっぱいになりそうなシャープネス。

ゆらぎ「水やガラスを美しく捉えるレンズは良いレンズ。」
誰が言ったか忘れましたが、その通りだと思います。

新緑の中で中距離でもちゃんと立ち上がるピント、良いですね。

窓の外には線は細く緻密、質感が伝わってきそうな描写です。

Life②光が回っているシーンは良い。
ならばローライトはどうだろう?となるわけですが、なんとも叙情的ですね。

西日ガッツリ逆光だと結構フレアが出ますが、嫌味な感じではないですね。
フリンジは出そうと思えば出せます。

窓にもたれてカーテンが女性なら最高でした(笑)

DSC02656.jpg隅は等倍とかで見ちゃうとちょっと緩いんですが、全然気にならないレベルです。

夢うつつ最短は45cm。Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAでは最短50cmでした。
寄れずに歯がゆかったシーンも良い感じ。

まとめ

「こう撮りたい」「ああいう構図にしたい」に限りなくストレートに応えてくれるレンズだと思います。
Sonnar T* 55mm F1.8 ZAもとても良いレンズでしたが、更にもうワンランク上の写りを見せてくれます。
軽さ、AFの速さを含めた取り回しを重視する人にはあまり向きません。その辺りは注意が必要です。
特にAFはα9なら問題ないのですが、従来機では駆動始めがちょっともたつきます…。

ただその辺はおいておいて、開放からガンガン使えて色やトーンの繋がりにもっと深みが欲しい人にはオススメです。
芳醇で澱みのない、美味しい日本酒のようなレンズです。


P.S
ちょっと気になったところを、素人考えで分析した光学的なお話。

トーンや色の繋がりが良いなーと感じるレンズなわけですが、コントラストの良さだけではなくて、軸上色収差補正も肝なんじゃないかなと。
フリンジが発生した時、フリンジと知覚できるのはピント前後のハイライト部だったりとかボケの輪郭だったりするわけですが、結局結像した像の色はエッジの部分に関わらず軸上色収差によってピント面の前後にかけて色が少しずつズレていっているのではないか?と思っています。そこがキチンと補正されているアポクロマートタイプなレンズや補正力の高い今回のようなレンズの場合、色が「正しく」繋がっていくのではないかと。
色が正しく繋がることで、トーンの繋がりも良くなったりとか、双方が良いことで質感描写がより艶かしくなったりするのかなーと解釈しています。

その辺お詳しい方いらっしゃいましたら、ご解説ください(切実)